「第参夜」


小学校の帰りに葬列とすれ違った。
蒼々とした畦道を、真っ黒な葬列が無言で通る。
私は草むらの中で息を殺して葬列を見ていた。
長い長い葬列が無言で通る。
辺りをモノトーンの静寂にする。
一番後ろに白い綿帽子のお嫁さんが続く。
ああ、あの人のお葬式なんだ。
目を閉じた私のほほに初夏の風が優しくふれた。
おいなりさんの杜でセミが静かに鳴きはじめた。

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